今回はルーマニアです。

 

我々の日常では大きな国のニュースが新聞、テレビ、ラジオ、PCなどを通じて入って来ますが、東欧の中のルーマニアの出来事などはなかなか入って来ません。

日頃あまりなじみのない国です。かつて社会主義のソビエト連邦に近い東欧の国だったこともあり、我々には比較的遠い存在でした。 

今日はルーマニアという国について、いろいろなことをお聞きします。

 

お話しして下さるのは、タマシ・モニカさんです。

 

20084月に来日して以来ずっと大阪に住み、今は大阪大学大学院の博士コースで日本語を勉強しています。

 

ルーマニアのコンスタンツァ (黒海に面した都市) で生まれ、勉強が大好きで、ルーマニアで日本語を一人で勉強するのは不可能なので日本へ来たとのことです。

ルーマニアは東欧の中にある国ですが、欧州の中心です。1989年まで共産主義の国でしたが、今は共和制の国です。首都はブカレスト、人口は19,040,000人(2011年)です。

公用語はルーマニア語で、ラテン語系の言葉です。ですからフランス語、イタリア語、スペイン語などのラテン語系の言葉に似ていて、ルーマニア人にとってはこれらの言葉を学ぶのは易しいようです。

 

使われているお札は紙ではなくプラスチック製です。

 

モニカさんはプロジェクターで画像を写しながら話を進めてくれました。

 

 

 

*モニカさんの話に関係のある写真をここに載せたいのですが、HPから取った写真は著作権の関係でここに載せることができません。各自、関心のある方は、文中の「青いタイトル」をクリックすると、該当HPが開きますので、写真を見てください。

 

ルーマニアの周りの国はセルビア、ハンガリー、モルドバ、ブルガリア、ウクライナです。

 

有名なあのドナウ川はドイツを源流として、オーストリア、スロバキア、ハンガリー、クロアチア、 セルビアを経て、ルーマニアのドナウ・デルタを通り黒海に注ぎます。 

 

このドナウ・デルタは生物の保護区になっています。

デルタの南の方にモニカさんが生まれたコンスタンツァがあります。

この雄大な ドナウデルタ の湿地帯は、世界で唯一の絶景を見せてくれる魅惑の三角州です。

生い茂る柳の林、豊かな無数の植物が覆う小さい運河、それらが沼地や湿地を彩り、活気づけます。ペリカン、ハクチョウ、ウミウ、カモなどの野鳥の群れ、そしてアシ、ハス、つた植物、さらに樹齢数百年の大木などが生い茂っています。 勿論、世界遺産に登録されています。

 



モニカさんは投影しながら、ルーマニアならではの地方を紹介してくれました。

 

○「シビウ」はドイツ色の濃い都市でドイツ風の建築物がたくさん見られます。

○ブゴヴィナ地方には14,5世紀のプトナ修道院、ヴォロネッイ修道院などの修道院が当時のまま

   残っていて、世界遺産となっています。

○「シギショアラ」は中世的城塞都市で美しい町並みは「ルーマニアの宝石」と言われ世界遺産に登録

   されています。毎年8月には中世風のフェスティバルがあります。

○マラムッシュ地方の「木の墓標」、その木の墓標には、亡くなった人の人生がカラフルな色の絵と

  文字で描かれていて、故人の人柄が分かります。

  どんな仕事をしていたのか、何が好きだったのか、どんな人生を送ったのか・・・・など生前の様子が

  ユーモラスに描かれています。 上の「木の墓標」をクリックして、ぜひ見てください。

  モニカさんはプロジェクターで見せてくれましたが、それ以上に面白いです。お勧めです。

  こんな文化もあるのです。

 

○ブカレストから西へ約180キロの場所にホレズ村があります。ホレズ村は世界遺産に登録されて

  いるホレズ修道院があるので世界的にも有名な場所です。

   ルーマニアで一番有名な陶器と言ったら「ホレズ」です。

    デザインがシンプルなものから複雑なものまであります。ホレズの陶器

 

やはり、料理の話は欠かせません。

代表的な料理にはサルマーレ、ママリーガ、ミティミティなどがあります。

あまずっぱい爽やかな風味の揚げた球状のドーナツにジャムを添えたお菓子、パパナシ も有名です。

 

ルーマニアの有名な人と言えば、ドラキュラ伯爵と女子体操のコマネチぐらいしか知りませんが、

ルーマニアが生んだ有名人としては次のような人がいます。

 

○ ニコライ・パウレスクが1921年にインスリンを発見しています。 

○ ジョージ・エネスク、は音楽家として有名で「ルーマニア狂詩曲」を作曲しています。

○ ブランクーシはルーマニア出身の20世紀を代表する独創的な彫刻家であり、その代表作

    は「無限柱」です。 そろばんの珠を積み重ねた様な形をしています。 30メートルもあるそうです。

 

○ ヘルタ・ミュラーは女性作家です。ドイツに住んでいますが、2009年にノーベル文学賞を受賞し

    ました。 彼女はチャウシェスク政権下のルーマニアにおける困難な生活や、バナート地の   ドイツ

    人の歴史、ソ連占領下ルーマニアのドイツ系民族迫害などを主題にした作品で知られています。

 

    モニカさんの話の中に、度々「チャウシェスク」の名前が出て来ました。独裁者の名前です。

    第二次大戦後、ソ連の圧力により共産化し、1947年ルーマニア人民共和国が成立しましたが、  

  ニコラエ・チャウシェスクが独裁政権を行い、1989年その独裁政治がルーマニア革命によって

    打倒され民主化されました。

 

 

モニカさんは2時間にわたって我々の知らなかったルーマニアについて話をしてくれました。

モニカさんは、まだあと一年の滞在が残っていますが、もっと日本のことを知り、将来は日本と関係のある仕事をしたいと思っていますと、話を結ばれました。

 

面積  約23.8万平方キロメートル(本州とほぼ同じ。)

人口  約1,904万人(2011年)

首都  ブカレスト(人口約194万人)

民族  ルーマニア人(89.5%),ハンガリー人(6.6%)など

言語  ルーマニア語(公用語),ハンガリー語

宗教  ルーマニア正教(87%),カトリック(5%)


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