20121020日土曜日、第3回目のKAIFAサロンを開催しました。

今回のゲストはイタリア人留学生のシルビアさん。

 

現在はベネチア大学の大学院生で、来年卒業の予定です。

昨年春、関西国際センターで4ヶ月の日本語研修を終え、一旦帰国したのち

9月から1年間、立命館大学で勉強されました。

 

日本のアニメは子供のころからお兄さんと一緒に見ていたそうですが、高校時代から日本文学に興味を持つようになり、夏目漱石や瀬戸内晴美などの本を読んでいたとのことです。

 

ご出身地はトレント。「あの、「うるわしの~♪」ですか?」と尋ねると、「よく言われますが、それはソレント、ナポリの南の半島にある地名です。

私の出身地はベネチアの北東のトレントです」。

地図で示してもらうと一目瞭然ですが、言葉で聞くだけでは紛らわしいですね。どうも大抵の日本人は早とちりするようです。

 

(一番下の地図を見て場所を確認してください)

 

シルビアさんのお話で興味深かったのは教育の話でした。イタリアでは日本のような受験制度はないそうです。学校はほとんどが公立です。小学校5年、中学校3年、高校5年。大学は3年、もう少し勉強したいなら2年、続ける事が出来るそうです。日本で言う大学院の修士課程のようなものでしょうか。大学にはレベルはなく、卒業時に与えられた成績によってランクが決められるとの事です。「勝負は大学に入るまで」、という日本とは全く逆の方式です。大学は勉強したい人が行くところだと、改めて考えさせられました。

 

最初は少し緊張されていたシルビアさんでしたが、参加されたみなさんの雰囲気が良かったのか、次第にリラックスされたようでした。そうなれば彼女のキャラクターでしょうか、話の端々に冗談も飛び出て来ます。関西で鍛えられた日本語は切れを発揮してきます。お笑い芸人以上のノリつっこみで、会場を沸かせてくれました。

 

初めて日本に着いた朝、友達が出してくれた朝食は納豆とカレーライス。「私はただでさえ時差ボケで気持ち悪いのに、なんじゃこりゃ?!」と思ったそうです。「日本の食事は何でも食べられますが、今でも納豆と梅干しだけはムリ!」とのこと。出来れば通訳の仕事がしたいとおっしゃっていたのですが、お笑いでも十分やって行けるのでは…?と思わせるほど、彼女のノリは関西人そのものでした。

 

後半の質問タイムになると、参加者からは次々と手が上がりました。イタリアに思い入れが深い方が多くいらっしゃったようです。みなさんの話を聞いているうち、あれれ?と思ったのは、私たちとシルビアさんとの世代ギャップです。


 

参加者が親しんでいたイタリアの映画や音楽は、シルビアさんには聞き慣れない昔のものばかりのようでした。映画「ひまわり」の話や古い歌手の話など、逆にシルビアさんの方が耳を傾けるという場面もありました。

 

KAIFAではこのKAIFAサロンだけでなく、日本語サロン、中国語サロン、英語サロン、ラテンサロンと銘うっていくつかの言語サロンを実施しています。日本語サロンは日本語を学ぶ方たちの学習の場です。中国語、英語、ラテン(スペイン語)の各サロンはそれぞれ外国語を学ぶ場として運営されています。

 

ですが、KAIFAサロンだけは単なるおしゃべりの場でありたいと思っています。

今回は一方的にゲストの話を聞くだけでなく、私たちもイタリアへの思いを話すことができたのはとても意義があったと思います。

まだ3回目ですが、回を重ねる度、より親しくお話が出来るようになっているように感じています。

文化や習慣の異なる方と理解しあえる楽しさをもっとみなさんと分かちあいたいと思います。KAIFAはそんな機会を皆さんに提供しています。

 

会員のみなさん、活動へのご参加をお待ちしています。

会員外のみなさんもKAIFAへのご賛同をいただき、ご加入をお願いします。

 

                                                                                       竹田知代

 

シルビアさんの故郷の トレントは北の方で、地図の赤点のところ、

黒点のところが歌で有名な ソレントです。



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