第2回KAIFAサロン
キルギス共和国
2012年3月17日に第2回KAIFAサロンを催しました。
今回のゲストは関西国際センターへ日本語研修に来られているキルギス共和国外交官のエルビラさんです。騎馬民族らしく長身で、スラリとした長い脚と愛くるしい笑顔が魅力的な女性でした。
エルビラさんが最初に話して下さったのは、「おもてなしの心」でした。
キルギスではお客様を迎える時、二度三度とお茶や食事を勧めるそうです。客の方もすぐに応じるのではなく何度も遠慮するのが礼儀で、それでも押しきられてごちそうになるというのがもてなされ方だというのです。少し日本と似ていますね。また、客の重要度によってお出しするごちそうが変わるとか。「私がお邪魔してお茶も出してもらえなかったらショックです」と言うと、「そんなことしません」とエルビラさんは笑っておっしゃっていました。
特別に大切なお客様の時は羊料理を出すそうです。その料理も、相手によって部位が変わるそうです。例えば、長老には頭、青年には足だとか。おもてなしの作法が厳密に決まっているとのことです。長年の慣習として、どの人にどの部位が一番健康に適していると熟知しているからなのでしょう。
キルギスで言い伝えられている言葉があるそうです。
「人には五本の指がある。それらはそれぞれ異なっている。同じように、人もそれぞれ異なっていて当然なのだ」
その言葉は、遊牧民族ならではの言葉だと思いました。島国の日本とは違い、いろんな国のいろんな人と交わってきた民族です。他民族を受け入れながら、他文化を受け入れながら生きてきた人たちです。彼らの寛大な心をエルビラさんの言葉を通じて感じさせられました。
今回、エルビラさんはKAIFAサロンのために『ボルソク』を作って持ってきてくださいました。『ボルソク』は客をもてなすためのパンの一種だそうです。二口くらいで食べられる『ボルソク』は、クッキーとパンの中間くらいの食感で、少し砂糖を加えてあるそうですが甘くありませんでした。おかずと合わせると、いくらでも食べたいと思わせる味でした。
『ボルソク』でもてなしてくれたエルビラさんは、私たちに出来る限りの礼を尽くしてくれたのでした。
あと印象に残ったのは、キルギスでは家を継ぐのは末っ子の男子だということです。
「気に入った男性に最初に聞くのは、何番目の子かと言う事です。若い女性には重要です」。
エルビラさん曰く、末っ子の男の子はもてないのだとか。日本と逆ですね。
もし、子供が女の子だけだったらどうかと尋ねたら、姉妹の順番は関係なく、その家に適している娘が婿をとるのだそうです。
現在、日本とキルギス共和国との交流は盛んではないそうです。キルギスに在住の日本人は、大使館関係者かジャイカで活動している人がほとんどで、あとはキルギス人と結婚した人が僅かにいて、ビジネス関係の人はごく僅かだそうです。なのに、日本からの中古車はキルギス内を走り回っているそうです。
少し気になったので、「日本では車検とかの規制が厳しいのですが、キルギスではどうですか?」と聞いてみました。「規則はありますが、あまり守られていません」との答えでした。
「日本ではよく規則を守っていますね」エルビラさんはそう言って下さいました。ですが、私たち日本人からみると、違反している人ばかりが目立つのですが。
会が終わった後、彼女は後片付けを手伝ってくれました。ごみ袋を運んでもらって、車のトランクに入れてくれるように頼みました。すると、「ごみを持って帰るのですか?」 と、不思議そうに尋ねられました。
「はい、それが規則ですから」、何気なく答えたのですが、エルビラさんはたいそう感心されていました。
「日本人は本当にちゃんと規則を守るのですね」、私たちが普通にしている事が、彼女の目には新鮮に映ったようです。
エルビラさんは母国に帰ったら、日本人は規則をちゃんと守る国民だと伝えてくれる事でしょう。私たちもその言葉に違わぬようでありたいと思います。
イベント部会 副部会長 竹田知代
キルギス共和国、中央アジアにある旧ソビエト連邦の共和国です。
首都はビシュケクで、
かつての正式国名はキルギスタンであり、現在でもこの通称が公式に認められています。
人口 5,482,000 人 (2008年現在)。
憲法でキルギス語が国家語、ロシア語が公用語と定められています。
国土全体の40%が標高3000mを超える山国。国土は東西に長く、中国との国境には天山山脈が延びる。南に位置するタジキスタンに向かってパミール高原が広がっています。
北から時計回りにカザフスタン、中華人民共和国、タジキスタン、ウズベキスタンと国境を接しています。ソビエト連邦から独立したウズベキスタン、カザフスタン、トルクメニスタン、タジキスタンとともに中央アジアを形成して、独立国家共同体 (CIS) の加盟国となっています。
以上 “Wikipedia”より。
(竹田知代さんは第2回が終ってから、次のように「KAIFAサロン」について話されています。)
外国の人たちとの交流を目的に始めたKAIFAサロンですが、交流だけでない貴重なものを学ばせてもらっています。 未知の国を知ることだけでなく、外国の人の目に映る日本を知らされることで、私たちも学ばなければならないと思い知らされます。
まだ2回目ですが、回を重ねる度に新たな国との出会いとともに新たな日本に気づかされるだろうと思います。
次回はどんな驚きが待っているのか、企画を考えるのも楽しみの一つです。
今回参加された皆さまありがとうございました。できれば次回は参加してみたいと思われる方は、ホームページやメールでご案内いたしますので、楽しみにしていてください。
皆さまのご参加を心よりお待ちしています。